• 演技力が伸び悩んでいる俳優
• 本質的な成長がしたい俳優
• スタニスラフスキーシステムを完全に納得したい俳優

• 10年以上の経験がある俳優
• 演技を教えたい俳優
• 俳優を演出する立場にある人

• ホンの読解が苦手な俳優
• 世界基準の読解術が知りたい方
• 一流を目指したい俳優

この本を読んで得られること

• 演技の悩みを自分で解決できるようになる
• 本質的な成長の軸が確立する
• スタニスラフスキーシステムを完全に納得できる

• 今までの経験が財産になる
• 演技を教えられるようになる
• 俳優を上手に誘導する秘訣が分かる

• 戯曲読解の本当の目的が分かる
• 演技への自信、誇り、喜びが増大する
• 即興性と再現性を両立できる

目次
はじめに

●７つのフレームワークとは

序章　７ステップでシナリオ読解力を向上させる

現場で輝くために！
● アクティングコーチの秘密を全て公開
● 優れた俳優の思考を借りる
● そもそも思考とは何か？
● 人生の質さえ左右する質問の影響力
● 俳優として優れたひらめきが生まれる思考法とは？
● 無意識に始まる思考をキャッチしコントロールする
● あなたの閃きを誘発するためのフレームワーク
【序章　まとめ】７つのフレームワーク概要
● ７つのステップの流れ

第１章　戯曲読解のゴールはどこなのか？

【質問】戯曲はどこまで読めば読めたことになるのでしょうか？

【答え】答えは図書館の中にはありません。あなたと役の人物の間にあります。

【第１章まとめ】戯曲読解の最低限のゴール

第２章 戯曲を読んだら最初にやること

【質問】どうしても頭だけで考えてしまいます。分析のための分析になってしまいます。演技に活かせずシナリオを読むのが苦痛です。どうすればいいでしょうか？

【答え】まず、自分に問いかけてみましょう。「この芝居を心からやりたいのか？それとも、やらなければならないからやっているのか？」

● 俳優は本来創造者
● 人はなぜドラマを観るのか？
● ドラマが私たちに欠かせない理由とその役割
● ドラマの普遍的構造
● ドラマの構造まとめ
● 戯曲の解釈において欠かせないポイントとは？
【フレームワーク①】
フレームワーク①の基本要素
【第２章まとめ】
【フレームワーク①】

第３章 役の目的を見つける

【質問】私は役の目的を見つけるのが苦手です。どうすれば上手く見つけられるようになりますか？

【答え】役の目的を探すときには、まず「あなたの役が、場面の中で最も大きな変化を経験するきっかけの出来事＝事件」に注目してみましょう。

● 「事件」によって人物の本性が見える
● 目的を見つける３ステップ
ステップ①：事件を探す
【フレームワーク②】：目的を身体化する
【第３章まとめ】役の目的を見つけるために

第４章 目的に共感する

【質問】目的を設定しても演技が良くなる実感がありません。こんなことなら目的を分析する必要はないのではと考えてしまいます。目的は必ず考えなくてはいけませんか？

【答え】目的を言語化できなくても、素晴らしい演技は可能です。

● 目的を設定しても演技に良い影響がでない原因
● 俳優を動機への共感に誘う前提の事件
【フレームワーク③】共感への前提の事件
【第４章まとめ】動機に共感する

第５章 真実感を得る

【質問】演技している時に、ふわふわした感じがしてしまいます。芝居をしている感覚が抜けません。どうすればよいでしょうか？

【答え】ふわふわしてた感じがするのは、「葛藤」が足りないからです。自分の演技にリアリティを感じたければ、役の人物の目的達成を妨げる障害を見つけましょう。

【フレームワーク④】 障害を身体化する
● 最大の障害は相手役
【フレームワーク④】 相手役を身体化する
【第５章まとめ】真実感を得る
【フレームワーク④】

第６章 相手のセリフに瞬時に反応する・ビートに分ける。

【質問】相手のセリフに耳をすまし想像を膨らませますが思うように感情が起きません。

【回答】相手のセリフを忘れる努力や、耳を澄ます努力は、むしろあなたを鈍感にしてしまいますのでやめましょう。

● 人の話を聞くとは？
● ビートを知っているだけではなく身体化する
【フレームワーク⑤】 瞬時に感情が起きるためのビート分析
【第６章まとめ】 セリフに瞬時に反応するビート分析

第７章 セリフを自分の言葉にする

【質問】「個人化」と呼ばれる作業をしています。ところが、この作業をすると演技がつまらなくなってきました。どうすればよいでしょうか？

【答え】一致させなければならないのは、その言葉が意味するものの属性ではなく、その言葉を発する時に味わう感覚です。

● セリフに実体を伴わせる秘訣
【フレームワーク⑥】 セリフを身体化する
【第７章まとめ】 セリフを自分の言葉にする
【フレームワーク⑥】 セリフを身体化する

第８章 物語を自分ごとにして「準備」を手放す

【質問】準備通りやろうとすると芝居が固くなってしまいます。

【答え】本番で自由になるための準備が必要です。

● 全ては本番で手放すため
● 手放すためにより良い行動の仮説を試しつつ自分事にする。
【フレームワーク⑦】役の課題を自分事にする。
【第８章まとめ】手放すこと
【フレームワーク⑦】 より良い行動の仮説を試しつつ自分事にする
これまでの学びを、現実の課題へ
● 『シックス・センス』のワンシーンで実践

実践編 第１章 読み解く前に、自分に問うこと

【質問】戯曲を読むのが苦手です。目的や行動を分析しろと言われても、すぐに頭が混乱してしまいます。どうすれば読解力が身につきますか？

【答え】「目的は何か？」「行動は？」と、最初から考え始めると、わからなくなってしまいます。そもそも、最初に応えるべき質問はこれです。
「あなたは、このシーンを演じたいと感じていますか？」

● 俳優は本来、創造者
● 主体性を養う教育
● 面白いかどうかが基準
【フレームワーク①】【主題は何？】
【第１章 まとめ】──あなたはこの物語を演じたいですか？

実践編 第２章 演技に役立つ目的の見つけ方

【質問】実際の演技で「その分析が役に立った」と感じた事がありません。

【答え】頭だけで考えていては、機能する目的は見つかりません。頭だけではなく、身体で目的を探りましょう。

● 役の目的を定める秘訣
【フレームワーク②】【目的】
【第２章 まとめ】 「目的」は言葉ではなく感覚で見極める

実践編 第３章 潜在的な目的を探る秘訣

【質問】受け身な役の場合、相手から働きかけられるまで何も求めていないように思えます。でも、役の目的はシーンが始まる前から一貫して有るとも聞きました。どうやって見つければいいのでしょうか？

【答え】場面の中心となる事件と最終的な役の状態を見れば、出発点にあった目的も自然と浮かびあがります。

潜在的な目的の見つけ方
【第３章 まとめ】「潜在的な目的」は心の奥のささやき

実践編 第４章 ビート分析で演技が繊細になる

【質問】「感情的過ぎる」「状況を演じている」と指摘されることが多いです。

【答え】目的のサイズを適切に選びましょう。

● 小さな目的に刻んでいく
【フレームワーク⑤】【ビート】「わたしは、あなたに今すぐ ～してほしい」
【第４章 まとめ】──感情は状況、行動は選択

実践編 第５章 行動を変容させる障害の存在

【質問】行動に変化が無い、雑だと言われます。

【答え】行動を邪魔する障害を探してみましょう。障害があなたの行動を繊細で彩り豊にしてくれます。

● 次の行動を繊細に予測する
【フレームワーク⑤】【ビート】
【フレームワーク④】【相手】【障害】
【第５章 まとめ】

実践編 第６章 セリフを新鮮に聞く秘訣

【質問】「相手のセリフを忘れ、初めて聞くようにしたい」です。でも、とても難しくて、私は相手のセリフを新鮮に受け止める感受性が乏しいのだと思います。どうすれば良いですか？

【答え】セリフを忘れるなど不可能です。大切なのは忘れることではなく、「自分の役が相手から何を聞くつもりでいるか」という先入観や思い込みや期待や欲求を見抜くことです。

● 一瞬先を読み、備える
【第６章 まとめ】セリフを新鮮に聞くメカニズム

実践編 第７章 関係性を決める決定的要因

【質問】「通常の対話には先入観がある」のは理解しました。でも、相手を色眼鏡で見ることが難しいです。どうすればリアルな先入観が持てますか？

【答え】「先入観」は過去にあった出来事（＝事件）に根ざしています。相手との間にどんな事件があったかを想像し、その瞬間をありありと身体で感じられるまで描写してみましょう。

● 先入観に満ちた対応
【フレームワーク③】【共感への前提の事件】
【第７章 まとめ】「関係性は、あの時に決まっていた。」

実践編 第８章 全てのセリフに目的がある

【質問】「全てのセリフに目的があるとは思えないのです。例外はないのですか？無意識に言ってしまうセリフや、ただのリアクションにも目的があるんですか？

【答え】はい、全てのセリフに目的があります

● 全ては行動
● ビートに刻む秘訣
【第８章 まとめ】

実践編 第９章 鳥肌を意図的に起こせるか？

【質問】ト書きに指定されている感情や感覚が起きません。感情の記憶を思い出していると、間を取り過ぎてしまいますし、間を詰めると、表現だけが大きくて不自然で…

【答え】直前の行動が適切で正確かどうかを確認してみましょう。適切な目的なのか？動機は十分なのか？あるいは、行動の内容や質が正確なのか？

● 鳥肌さえ意図的に起こせる
● 再び、感情と行動を選り分ける
【第９章 まとめ】感情ではなく、行動を選び取る

実践編 第１０章 「分かって欲しい」は行動にならない

【質問】どのセリフも「セリフの内容」を知って欲しい、分かって欲しい。になってしまいます。どうすれば良いですか？

【答え】そのセリフを言った直後に、相手がどんな「反応・行動・態度・感情の変化」を示してくれたら満足だと感じるのかをじっくりと想像しましょう。

● 一瞬先を読む
【第１０章 まとめ】信じたが伝わる瞬間を生きる

実践編 第１１章 信じるにはドラマが必要

【質問】履歴書を書いても、背景を掘り下げても、演技の役にたちません。

【答え】リアリティを感じるために必要なのは、情報の羅列ではなくドラマです。

● シナリオに描かれていない部分をいかに創造するか？
【第１１章 まとめ】信じるためにできる事とは

実践編 第１２章 伝えた後を大切に

【質問】分かってはいても、つい目的を「セリフの内容を伝えること」にしてしまいがちです。

【答え】内容を伝えることは、目的達成のための手段です。その内容を伝えると、期待できる相手の変化は何か？に着目しましょう。

● 伝えた後の世界を想い描く
【１２章 まとめ】「伝えた後の世界」を大切に

演技編 余計なことを考えずに役を生きる体験

【質問】 演技中に余計な事ばかり考えてしまいます。

【答え】 「このセリフで相手をどうしたいか」が身体的に具体的であれば、あなたは常に行動に集中できるので、頭を働かせる必要はなくなります。また、準備段階で全ての情報をドラマにして頭ではなく、身体に埋め込んでください。

● 「役を生きる」感覚の手応え
● 「違和感」が生まれる条件
● 瞬間を経験することの力
● 即座に反応するために背景をドラマにする
【演技編 まとめ】

【付録１】７つのフレームワーク
● ７つのステップの流れ
【付録２】シックスセンス